2024年、政府は訪日外国人旅行者数が史上最多の3500万人に達すると予測し、旅行消費額も8兆円に上る見通しを発表しました。さらに、2030年までに訪日客数6000万人、旅行消費額15兆円を目指す政府目標も視野に入ってきました。これを受け、観光施策の重点は「地方への誘客促進」と「オーバーツーリズムの対策」にシフトしています。
観光需要拡大に伴う課題とは?
観光業が大きな成長を遂げている反面、観光地の混雑や環境への影響といった「オーバーツーリズム」が各地で問題視されています。特に富士山や箱根、北海道倶知安町などがその例です。これに対応するため、岸田首相は観光資源を最大限に活用しながら、地域経済の活性化と環境保護の両立を図ることが重要であると強調しました。
地方誘客促進に向けた取り組み
地方への観光誘客を促進するために、政府はまず航空燃料の供給問題に対応します。現在、燃料不足により地方空港への新規路線開設や増便が困難な状況にありますが、政府は週150便分の燃料供給力確保を目指す計画を策定し、地方空港の利用促進を図ります。
さらに、全国35カ所の国立公園を2031年までに「世界水準のナショナルパーク化」する計画も進行中です。この計画では、国立公園を観光資源としての魅力を高め、自然体験アクティビティや宿泊施設の充実を目指します。観光地の魅力向上を図り、都市部から地方への観光客の流れを促進する狙いです。
また、スポーツツーリズムや交通の空白地対策といった、訪日観光の多様化にも取り組んでいます。これにより、観光地全体のバランスの取れた発展を目指しています。
オーバーツーリズム対策に向けた新たな指針
観光地の過剰な混雑を防ぐため、政府は全国20のモデル地域においてオーバーツーリズム対策を進めています。これに新たに小豆島や高山、那覇など6地域が加わり、各地域の成果を踏まえて全国で参考にできる指針を年内に取りまとめる予定です。
特に富士山では、今年から始まった入山規制において、静岡県と山梨県の対応の違いが課題となっています。政府はこの問題に対して、国有地の管理を含めた調整に協力し、地域ごとの対策を支援する方針です。
まとめ:観光立国に向けたバランスの取れた施策が鍵
2024年の訪日外国人旅行者数は3500万人に達し、観光業界は今後もさらなる成長が期待されます。しかし、地方への観光客の誘導やオーバーツーリズム対策など、課題も多く残されています。政府はこれらの課題に対応し、観光資源を持続可能に活用するための具体的な施策を進めています。
観光業は日本経済にとって重要な成長分野ですが、持続可能な観光地運営を行うためには、今後もバランスの取れた取り組みが求められます。観光客にとっても、地域社会にとっても魅力的な観光地づくりが進むことを期待しましょう。
コフコマアカデミーで観光業の未来を切り開こう!
観光業の成長に伴い、地方誘客やオーバーツーリズム対策においても、DX(デジタルトランスフォーメーション)の力が欠かせません。データ活用やAI技術を駆使することで、観光客の流れを最適化し、地域経済を活性化させる手段が広がっています。
コフコマアカデミーでは、観光業をはじめとする様々な分野で活用できるDXスキルを習得できるプログラムを提供しています。これからの観光業に必要なデジタル技術を学び、地域の魅力を最大限に引き出す方法を身につけましょう!