インターネット上の地図サービス「グーグルマップ」に投稿された不当な口コミが削除されず、利益が侵害されたとして、全国の医師や歯科医師ら計63人が米IT大手グーグルに対し、総額約140万円の損害賠償を求めた訴訟が東京地裁で行われました。7月17日に開かれた第1回口頭弁論で、グーグル側は請求棄却を求める姿勢を示しました。
背景
グーグルマップは、診療科目や地名を入力すると、周辺の医療機関が表示され、住所や診療時間などの情報が確認できる他、ユーザーによる「クチコミ」や5点満点の「評点」を付けることが可能です。このクチコミ機能が、今回の訴訟の争点の一つとなっています。
原告の訴え
提訴したのは、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡などに所在する開業医や医療法人の医師、歯科医師らで、彼らはグーグルマップに投稿された不当なクチコミによって診療所の評判が傷つけられ、患者の減少や業績への悪影響を訴えています。彼らによると、不正確な情報や薬局と診療所が混同されるような表記が行われているにもかかわらず、グーグル側はこれを放置しているという主張です。
特に、原告の診療所で働く50代の職員は、口頭弁論後の記者会見で、「同じ建物内にある診療所と薬局がグーグルマップで混同され、診療所に対して薬局への苦情が寄せられることが度々ある」とし、何度もグーグルに訂正を求めたにも関わらず、適切な対応がなされていないと訴えました。
グーグル側の対応
一方、グーグル側は、原告の損害賠償請求を棄却するよう求めています。口コミの投稿や評点システムはユーザーの自由な意見表現を尊重するものであり、不正確な情報が投稿された場合でも、特定の基準に従って対応を行っていると主張しています。また、問題のある投稿に対しては削除などの対応を取っているものの、すべてのクレームに対応するのは困難だという姿勢を見せています。
今後の展開
今回の訴訟は、医療機関に限らず、他の業種にも影響を与える可能性が高いです。特にオンラインでの評判管理が事業の成否に直結する現代において、グーグルマップのようなサービスにおけるクチコミや評点の影響力は無視できないものとなっています。
この裁判は、インターネット上での評判管理やプラットフォーム運営企業の責任範囲について、今後の指針を示す重要なケースとなるでしょう。
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