話題の10選!見て学べる最新コンテンツマーケ事例集【2025年版】

「「集客の先に、もっと深いつながりを。」
広告に頼らず、ユーザーと信頼関係を築きながら自然とファンを増やしていく——そんなマーケティング手法として、コンテンツマーケティングは今やBtoB・BtoC問わず、多くの企業にとって欠かせない存在となりました。

今回は筆者が「この企業、やってるな…!」と感じたコンテンツマーケティングの成功事例を10個ピックアップ。単なるPVやSNSバズではなく、“なぜそれがうまくいったのか”という戦略の裏側に注目しながら、実践のヒントになるポイントを深掘りしていきます。


目次

◆BtoC編:生活に溶け込む“好き”を育てる仕組み

1. カインズの“DIY魂”が詰まったメディア『となりのカインズさん』

「ホームセンターを、もっと面白く。」

そんな発想から生まれたのが、カインズが運営するオウンドメディア『となりのカインズさん』。記事はどれも実用的で、まるで生活のヒントがぎゅっと詰まった雑誌のよう。たとえば“キャンプ道具を家で活用するアイデア”や“収納グッズの意外な使い方”など、読んでいて「明日やってみようかな」と思わせてくれる内容ばかりです。

SEO対策は万全でありながら、SNSで共感されやすいテーマ設定も絶妙。広告色を感じさせず、あくまで読者目線に寄り添っているのが人気の理由でしょう。なんとリリース1年で月間400万PVを達成。注目すべきは、記事で紹介された商品が実店舗で売れる現象まで起きているという点。

「PVや売上は“結果”にすぎない」
そんなメディア本来の姿勢が、多くのファンを惹きつけてやみません。


2. よなよなエールが生んだ“ビールの世界にハマる入口”

クラフトビールといえば?
「よなよなエール」が真っ先に浮かぶ人も多いのではないでしょうか。

軽井沢発のブルワリー「ヤッホーブルーイング」は、遊び心満載のコンテンツ設計で、多くのビール好きの心を掴んでいます。公式サイト『よなよなの里』では、ビールに合う簡単おつまみレシピからクラフトビールの基礎知識まで幅広く発信。読みものページでは「IPAってなに?」という初心者向けテーマから、玄人も楽しめる内容まで豊富に展開。

注目は、YouTubeやSNSなどマルチメディア展開の巧みさ。映像やデザインの世界観に、ビール缶のビジュアルが自然に溶け込んでいる点は見事の一言。テキスト・動画・SNSを連動させることで、ブランドへの認知と愛着が同時に育まれている好例です。


3. コンテンツそのものが“ブランド”へ進化『北欧、暮らしの道具店』

「モノを売る前に、ストーリーを届ける。」

日用品やインテリアを扱うECサイト「北欧、暮らしの道具店」は、販売だけを目的とせず、「ブランドの世界観」をじっくり育ててきた代表例です。年間リーチは約2,000万人、もはや一つの“メディアブランド”といっても過言ではありません。

YouTube番組『あさってのモノサシ』では、30分以上のトーク番組を展開し、「暮らし」や「時間の使い方」をテーマに、心に染み入るようなコンテンツを提供。Instagramでは世界観を統一しつつ、丁寧に着用レビューなども発信。テキストも動画も、見た瞬間に「あ、あのブランドだ」と分かる一貫性のある構成が特徴です。

レビューやエッセイを読むうちに、「この商品が欲しい」ではなく、「この世界観に共感したい」という気持ちが芽生える。そんな“共感から購買へ”の流れを作っているのがこのブランドの強みです。


4. “旅好き女子”を惹きつける感性メディア『icotto』

「次の旅先、決めてないけど、写真を見てたら行きたくなった。」

そんな気持ちを引き出すのが、株式会社カカクコムが運営する旅行メディア『icotto(イコット)』。Instagramでは“ひとり旅”や“癒し”などのテーマにフォーカスし、スライド式の投稿で旅の情緒を演出。キャッチの一言とともに、宿の情報やコメント募集をうまく組み合わせ、エンゲージメントを高めています。

旅行・地域グルメに関する検索キーワードでも強く、SEOとSNSを両輪に回すスマートな設計。SNS映えを狙ったビジュアル投稿と、宿泊比較・予約への導線が自然につながる仕組みは、「旅のインスピレーションから予約まで」が1つの世界で完結する秀逸な導線です。


5. 書店がキャラでバズる!?『有隣堂しか知らない世界』

「え、本屋さんがYouTubeやってるの?」

そう驚かれること間違いなしの、老舗書店・有隣堂のYouTubeチャンネル『有隣堂しか知らない世界』。登場キャラクター「ブッコロー」の軽妙な語りと店員の“本気のウンチク”が絶妙にミックスされ、登録者数は27万人を突破。商品知識の深さとユーモアが融合した動画は、まるでエンタメ番組のよう。

実際に紹介した商品が書店で売れるケースも続出し、TikTokでもショート動画を展開。リアル店舗の売上だけでなく、ブランドとしての認知度も大幅に向上しました。書店の“真面目”なイメージを逆手に取り、「愛される個性」を武器にした好事例です。


6. 香りを“音”で伝える挑戦者『NOSE SHOP』

香水はデジタルでは売れない。
そう思っている方がいたら、この事例を見て驚くかもしれません。

世界のニッチフレグランスを扱うNOSE SHOPは、なんとSpotifyで音声番組『NOSE knows』を配信中。代表自らが登場し、香りと文化について語るラジオ形式のコンテンツは、言葉で香りの世界観を表現するという前代未聞の試みです。

ラジオから知ったリスナーがネットショップへ、という流れも生まれており、“聴覚”で香りにアプローチするという斬新な導線設計は、感覚に訴える商材を扱う企業にとって大きなヒントとなるはず。


◆BtoB編:専門性×信頼で顧客を惹きつける戦略

7. マーケ支援企業・才流の“情報の価値を届ける力”

BtoBマーケティングの最前線を走る企業といえば、必ず名前が挙がるのが株式会社才流。そのオウンドメディア『メソッド』では、ノウハウ記事とYouTube動画を組み合わせ、質の高い情報を継続的に発信しています。

特徴は、社内外の優秀なコンテンツクリエイターを積極的にアサインし、記事の専門性と信頼性を確保している点。少数精鋭でも、情報の“鮮度”と“信ぴょう性”を保つことで、年間数千件のリード獲得を実現しています。BtoBメディアが陥りがちな「自己満足型発信」ではなく、徹底的に読み手の課題解決にフォーカスしている点が成功のカギです。


8. 広告会社が本気で作る“交通広告の教科書”『キクコト』

電車内や駅で目にする交通広告。そのプロ中のプロである株式会社ジェイアール東日本企画(jeki)が手がけるオウンドメディア『キクコト』では、業界関係者に向けて「広告のあり方」を深く掘り下げたコンテンツを発信。

注目は、閲覧行動に応じて出し分けられるポップアップや導線設計。闇雲に資料請求を求めるのではなく、「今この情報を求めている人」に合わせたアプローチを丁寧に設計しています。リリース1年で100社以上からのオンライン相談を獲得しており、質・量ともに高い成果を上げている事例です。


9. “人事向け”を極めたオウンドメディア『HR NOTE』

jinjer株式会社が運営する『HR NOTE』は、「人事担当者のための最強メディア」といっても過言ではないほど、信頼性と実用性に優れたサイトです。

インタビュー記事、用語解説、トレンド紹介などを豊富に展開し、「役に立つコンテンツで接点を持つ」という方針を徹底。メルマガ登録者数はMAツール導入前の約4倍に伸び、月間100万人以上が訪問する大規模メディアへと成長しました。

8割以上が自然検索流入という点も注目。見込み顧客に寄り添うコンテンツ構成は、まさに王道のBtoBマーケティングの実践例です。


10. SATORIが描く“導入までのストーリー設計”

マーケティングオートメーションツールを提供するSATORI社は、自社ブログを使って「必要な人に、必要なときに、必要な情報を」届ける戦略を緻密に実行。

見込み顧客を「いますぐ客」「そのうち客」に分類し、それぞれに合ったコンテンツと接触タイミングを設計するシナリオ型の構成。セミナー・ホワイトペーパー・比較ページなどを起点に、自然な流れでリード化を促進しています。

押し売りにならず、気づいたら「検討中になっていた」という仕掛けが秀逸。コンテンツが営業ツールとして“静かに効く”代表例といえるでしょう。


最後に|“売らない姿勢”こそが、選ばれる理由

ここまで紹介してきた10の事例には、共通点があります。
それは、「いきなり売ろうとしていない」ということ。

ファンを作ること、好きになってもらうこと。
そのために、役立ち、共感され、愛されるコンテンツを丁寧に届け続けているのです。広告では届かない心に、じっくりと入り込む——それが今、求められるマーケティングの形なのかもしれません。

あなたの会社の“物語”も、コンテンツから始めてみませんか?

◆コフコマアカデミー

コンテンツマーケティングを自社の武器にしたい方へ。
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